校長より
2023.06.06
丘の学び舎 その142
先週は、台風と梅雨が重なって、日本全国、大雨に見舞われました。統計によれば、100年に1度くらいの異常な降り方だったところもあったようです。公共交通にも大きな影響が出ました。気をつけたいシーズンです。
気温が上昇し、湿度が高くなるこの時期、キャンパス内の苔むしたところで、にょきにょきと顔を出してくるのが、色々な種類の「キノコ」です。今朝も正門を上がったところで、小学生が、「シスター、キノコが生えています」と教えてくれました。名前は全くわかりませんが、結構大きいキノコがいくつも出ています。早速写真を撮りました。
写真を撮りながら、ふと思い出したのが、聖心会第6代総長、天性の教育家といわれた、マザー・ジャネット・アースキン・スチュアートの言葉です。「あなた方はキノコのようにではなく、木のように成長しなければなりません。」 キノコは地中深いところに枝状に張り巡らされた菌糸の緊密なネットワークからニョッキリと顔を出す、とても不思議な植物です。見た目はかわいいのですが、簡単にポロリと折れてしまうことを、マザー・スチュアートはいいたかったのでしょうか。
この言葉と重なって聴こえてくるのが、聖心会初代総長聖マグダレナ・ソフィア・バラの言葉です。「家を屋根から建ててはいけません。」フランス語で、急いで見栄えの良いものを作ろうとすることを「家を屋根から建てる」というのだそうです。
人間はまず土台から、自分という根っこをしっかりと下しながら、時間をかけて木のように成長していくことが大切です。小中高というかけがえのない時間。まずはしっかりと根っこづくりができますように。