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校長より
2023.02.13
丘の学び舎 その132

昨日はまるで春の陽気でした。立春が過ぎ、寒暖を繰り返しながら、春の足音が近づいてきています。いよいよ、高等学校卒業式が行われる週を迎えました。学校の一年の終わりの季節を迎えています。

この頃になると、谷川俊太郎さんの「春に」という詩を思い出します。合唱曲としても親しまれている詩で、「この気持ちは何だろう」という言葉が繰り返されているのがとても印象的です。

「目に見えないエネルギーの流れが 大地からあしのうらを伝わって ぼくの腹へ胸へそうしてのどへ 声にならないさけびとなってこみあげる」「枝の先のふくらんだ新芽が心をつつく よろこびだ しかしかなしみでもある いらだちだ しかもやすらぎがある あこがれだ そしていかりがかくれている 心のダムにせきとめられ よどみ渦まきせめぎあい いまあふれようとする」「あの空の青に手をひたしたい まだ会ったことのないすべての人と 会ってみたい話してみたい あしたとあさってが一度にくるといい ぼくはもどかしい 地平線のかなたへと歩きつづけたい」

思春期の子供たちの心は、まるで新芽のような若いエネルギーに満ち、相反する様々な感情が入り乱れて揺れ動いています。希望や期待に胸を膨らませる一方、不安や恐れにとりつかれることもあります。「この気持ちは何だろう」と自問しながらの一歩一歩です。やがて、そうした葛藤の日々を通り過ぎ、心豊かで穏やかな女性として高等学校旅立ちの日を迎えます。

高校3年間をまるまるコロナ禍で過ごした12年生の旅立ち。祈りを込めて送り出したいと思います。

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