校長より
2022.06.06
丘の学び舎 その173
いよいよ梅雨入り間近となってきました。ロザリオヒルの紫陽花が、みこころ坂を行きかう人々の目を楽しませてくれています。校内のあちらこちらでは、花瓶一杯の紫陽花に、心が和みます。
今週は中高では前期中間試験、小学校ではStageⅠ運動会の準備、そして、6年生の修学旅行の準備と、それぞれの学年らしい時期を過ごしています。気温も上昇し、熱中症とマスクの狭間で心配の多い3度目の夏を迎えています。マスクのつけ方を工夫しながら、子供たちが無事に夏を乗り切ることができるよう、祈るばかりです。
ところで、「紫陽花」という名前は、藍色の小さな花が集まって咲いている様子を表すといわれています。円形にまとまった小さな花、土壌によって変わるとされる花の色など、どんよりとした梅雨空に映える美しさで、爽やかさを演出してくれます。
「紫陽花に 雫あつめて 朝日かな」 江戸時代の俳人、加賀千代女が詠んだ句です。紫陽花と、雫と、朝日。毎朝、学校へ向かう途中、ロザリオヒルで目にする紫陽花が目に浮かんできます。18世紀の女性が詠った句が、21世紀を生きている私の心にも響いてくるとは何とも不思議なことです。紫陽花はそうして何百年も人々の心を和ませてきたのでしょう。
戦争のニュースと、未だコロナの行く末を案じる報道は続きますが、一輪の紫陽花を愛でる心を、子供たちには育ててほしいと願っています。それが平和の始まりでしょう。毎朝、小学生と出会うと、坂道の途中で目にした生きものや、育てている生きもののことを、目を輝かせて話してくれます。子どもたちの命に対する感性に、こちらも感動を覚えます。