いよいよ最終日となりました。今日は朝早くに高山を出発して、岐阜県南部の美濃市を訪れました。
向かう途中、飛騨の山中は雪景色。子どもたちは美しい景色にしばし撮影タイム。美濃に着く頃には雪はなくなっていました。
さて、美濃といえばユネスコ無形文化遺産にも登録されている「美濃和紙」。今夏の東京五輪の表彰状にも使われた日本を代表する伝統工芸の町です。
そして、「日本一うだつの上がる町」としても有名です。うだつとは、江戸時代、和紙の町を火災から守るために隣の家との間に設けられた防火壁のことです。時代とともに防火壁としてよりも、富の象徴としてその豪華さを競うようになったことから、「うだつが上がる=出世する」という意味になったそうです。
子どもたちは和紙を使ったかわいい小物作りに挑戦しました。同じ材料を使っていても、何をどこに配置するかによって個性的な作品に仕上がりました。素敵なお土産がまた一つ増えました。
散策では、前日が祝日だったため、ほとんどの店や資料館が閉まっていて残念でした。と、思っていたところに、たまたま通りかかった旧今井家住宅(美濃資料館)の館長が声をかけてくださり、特別に資料館を開けて子どもたちを中に入れてくださいました。さらに、町の歴史を解説してくださったり、日本の音風景・百選にも選ばれている水琴窟の音を聞かせてくださったりしました。この4日間、成長した子どもたちへの素敵なプレゼントをいただいたような気持ちになりました。
この旅のテーマは「温故知新 〜守り継ぐ人たちの想いに触れる旅〜」でした。白川郷、新穂高、高山、美濃、それぞれの場所でたくさんの人と出会いました。目に見えるものだけではなく、目に見えない人の想いにふれることで、見えないものが見えるようになり始めた子どもたち。美しい自然も素晴らしい伝統も、それを守り継ぐ「人」がいてこそなんだと気づいた旅となりました。
この3泊4日で学んだことをまとめながら、多くの人に支えられて活動を進めることができた自分が、今度はどうやって人を支えていくのか。そして、聖心の伝統を守り継ぐために自分は何ができるのか。深く考えていってほしいと願っています。
Field Tripは今日で終わりますが、子どもたちの学びはここからがスタートです。関わってくださったすべての方に感謝いたします。