BLOG

Top > BLOG > 丘の学び舎 その130

BLOG

校長より
2021.07.12
丘の学び舎 その130

本州に停滞した梅雨前線が各地にたくさんの被害をもたらしましたが、今週は落ち着きそうです。火曜日から8年生、9年生、10年生が、校外で宿泊行事を行います。感染症対策を厳重に施した上での、2年ぶりの行事となります。有意義な時間を過ごせるよう、祈りを込めて見送りたいと思います。
先週、小学校の校舎を歩いていると、例年のような七夕飾りが目に付きました。七夕飾りには、習わし通り、願い事が書かれた色とりどりの短冊が飾られています。どんな願い事を書いているのかしらと、一枚一枚眺めるのが毎年の楽しみです。今年多かったのは、他でもない、新型コロナにまつわるものです。「早く収まりますように」とか、「誰もかかりませんように」とかいったものです。そんな中で、とても心に響いた短冊が一枚ありました。「学校でマスクをしないで過ごせる日が早く来ますように」と書かれていました。
本当にそうです。大人の私でも、いったいいつになったらマスクなしで過ごせるのだろうとうんざりした気持ちになりますので、子供たちはなおさらのことでしょう。鬱陶しいし、息苦しいことです。目の動き以外、先生の表情も友達の表情もほとんど掴めません。多感な年齢の子供たちが、1年半以上、食べる時とグラウンドで運動する時を除いて、学校でマスクを外せない生活を送っているということの異様さを感じさせられます。
「顔と顔を合わせる」という表現は、「出会う」とか「向き合う」ということを意味しています。人間は、「顔」を通して「その人自身」と向き合い、互いの関係をつくっていくものでしょう。もうすでに信頼関係ができ上がっている相手ならいざ知らず、つながりをつくるプロセスにある子供たちにとって、顔と顔を合わせることはとても大切です。学校でのマスク着用が、仲間との出会いを狭めることのないよう、多様な関わりの場を展開する必要があることを、小学生の星への願いを通して、痛感しました。

pagetop