移行期間を経て、児童・生徒全員夏服に衣替えとなりました。学校中が爽やかな水色で溢れ、紫陽花の色とも調和して、梅雨空に映えています。6月は、「水無月」。「水無月」とは水が無いのではなく、「水の月」を意味すると考えられるようです。「水の月」に相応しい水色の制服です。
ところで、学校では例年この時期にプール開きを行いますが、昨年に引き続き、新型コロナ感染症予防のため、水泳の授業は行わないことになりました。とても残念ですが、まだまだできないことがたくさんあります。プール開きの時には、いつも児童生徒がプールの周りに集まって、命の源である水に親しむ機会を頂いたことへの感謝とともに、安全に水泳を楽しむことができるよう、神様のご加護を願って祈ります。そして、プールに満ちあふれる澄んだ水を眺めながら、安全な水が手に入らない国々の方のことを思い、祈りを捧げるのです。
ユニセフの報告によれば、2017年時点で、世界では22億人が安全に管理された飲み水を使用できず、このうち1億4,400万人は、湖や河川、用水路などの未処理の地表水を使用しているとのことです。水の問題は、教育の問題にもつながります。特に、女の子の教育です。家族のための飲み水や生活用水を確保しなければならない女の子たちは、片道1〜2時間かけて水源と家の間を往復し、水汲みに明け暮れる毎日です。学校へ行くどころではありません。
SDGs(持続可能な開発目標)の6番目「安全な水とトイレを世界中に」は1~5で取り扱う貧困や飢餓、健康や教育、ジェンダー平等と切り離して考えることはできません。そして、どの目標においても、弱い子供たち、とくに女の子が置かれている立場に、もっと目を向ける必要があります。
小林聖心の児童生徒が世界の水問題に関心を持ち、自分と同じような女の子が抱えている現実を知って、何らかの形で応えていくことができますように。「水の月」にあたり、私も意識して過ごします。
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校長より
2021.06.07
丘の学び舎 その125