学校の新館受付に飾ってあった大きなモミの木は片付けられ、盆栽が飾られました。いよいよお正月の雰囲気になってきました。日々の報道で発表される新規感染者数を聞いていると、とても心晴れやかに新年を迎えられる状況ではありませんが、「stay home」も悪くはありません。掃除や片付け、そして、ちょっと手間をかけた料理と、楽しみたいものです。
いったい今年は何という年だったのかしら(まだまだ過去形にはできませんが)、と振り返っていると、教皇フランシスコが今年書かれた回勅の言葉が心に響いてきました。「兄弟である皆さん」というタイトルの回勅です。その中で、このパンデミックは、「『わたしがこの文書を準備している最中に、思いがけない形で飛び込んできた。』しかしながら、この感染症による世界的な危機は、『誰も一人で自分を救えない』こと、そして、『わたしたち皆が兄弟』として『ただ一つの人類として夢見る』べき時がついにやって来たことを示した。」と述べておられます。
ウイルスに国境はないというのが、今回の体験です。私たちが想像している以上に、世界は繋がっているのだということを思い知らされ、情報共有や国際協調なくしてパンデミックは防げないということを全世界の人々が強く認識するようになりました。国境を容易に超えるウイルスとの闘いにおいて、人類が連帯すること以外に解決への道はないということに気づき始めているのです。確かにコロナがつくりだした状況は危機的ですが、危機は同時にチャンスでもあります。コロナ禍は歴史を前に進め、様々な地球的規模の課題に取り組むべく、「世界の連帯」を推し進めていくことになるのではないかと、心から期待しています。「『わたしたち皆が兄弟』として『ただ一つの人類として夢見る』べき時がついにやって来た」という教皇様のメッセージは、新年に向けての大きな希望です。
この一年、一人ひとり、それぞれの状況の中で、語り尽くせないほどの経験があったことと思います。それらすべてを神様が顧みてくださり、一つの人類の夢に向かって力強く歩ませてくださいますように。神様の豊かな祝福を、心よりお祈りしております。
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校長より
2020.12.28
丘の学び舎 その102