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校長より
2020.09.07
丘の学び舎 その86

先週の木曜日と金曜日の二日間、イエズス会の竹内神父様のご指導で、12年生(高校3年生)の黙想会が行われました。12年生が全員揃って黙想に与れるのは、これで最後となります。
小林聖心では、7年生~12年生までの年間行事の一つである黙想会をとても大切にしています。二日間という時間をかけます。どんどん流れていく普段の生活から離れてちょっと立ち止まり、一人になって耳を澄ませるためには、時間が必要です。心がシーンと静かな湖面のようになる時、それまで気づかなかったものが映ってくるのです。そして、それが何を語っているのか、心の耳を傾けるのです。
7年生から黙想会ノートを一冊つくります。そこに、黙想会でいただいた神父様やシスターのお話、そして、自分自身のその時々の心の軌跡や振り返りを書き綴っていきます。卒業生は、このノートをまるで宝物のようにとても大切にしているようです。何人もの卒業生がそう話してくれるのを聞いたことがあります。卒業して何歳になっても、懐かしくなってふと開いてみるのだそうです。「あの頃の私はこんなことに悩み、こんなことを考えていたけれど、それを超えて今の自分がある。」と改めて自分自身を振り返ることができます。「神父様が仰ったことはあの時にはよくわからなかったけれど、今読み返してみるとすごくピンとくる。」といった発見もあるようです。人生の道のりを神様がずっと共に歩んでいてくださったことを確認できる宝が、黙想会ノートには詰まっているようです。
現代の中高生が一人なって沈黙で過ごし、自分自身と向き合って過ごす2日間。それは、なかなか容易なことではありません。7年生から一挙にできるわけではありません。しかし、沈黙のうちに祈るという日々の積み重ねと、6年間の黙想会の積み重ねで、一年一年、黙想会は深みを増していくことになります。
黙想会の最後に、校長は「おめでとうございます。」といって祝福の挨拶をし、生徒は「ありがとうございます。」と答えます。二日間の黙想を終えた魂は新しい命に誕生しますので、おめでたいのです。大人になったら、ほとんど与ることができないような黙想会という時間。今年もこの行事を通して、一人ひとり、成長したことでしょう。

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