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校長より
2020.06.08
丘の学び舎 その69(中高生版)

中高生の皆さんへ
1年生から12年生まで、すべての学年が新学年度最初の登校を終えました。これまで経験したこともないような長い空白の後の再会であると同時に、昨日まで会っていたような自然な再会でもあり、とても不思議な気持ちの毎日でした。これまでと違うのは、新しい生活様式のもとでの学校生活であるという点です。
ところで、皆さんが集まってくるというのは、本当にいいものですね。やっぱり学校はこうでなければと思いました。休校中、オンラインでの学習支援にすっかり慣れたことでしょう。もちろんオンラインでも交流しながらの学習は可能ですし、今回のような場合には、本当に有難い手段です。しかし、ネット上ではなく、顔と顔を合わせる協働的な学びの場を創り出すのが、学校の本来の使命ではないかとつくづく感じさせられました。
先週、思い出していたのは、「学」という漢字の旧字体です。皆さんは知っていますか。「學」と書きます。以前読んだ教育学者佐藤学先生の説明に、ずいぶん考えさせられたことがあります。上の真ん中縦に二つ並んだ「メ」は、学ぶことに欠かせない交わりを表しています。上は、学問・芸術・文化との交わり、下は仲間同士の交わりです。その両側に左右に分かれた「臼(キュウ)」、これは、学びを導き支える大人(教師)の手です。そして、学ぶ主体である子供が建物を意味する「冖(ワカンムリ)」の下にいます。漢字はなんと物事の本質を的確に表しているのでしょう。
三密にならないとか、人との間に距離を置くとか、ずいぶん人との交わりに気を使わなければならない学校生活です。それでもやはり、学校に来て出会ってほしいです。先生方も精一杯、皆さんが交わりを通して学ぶことができるよう、工夫しサポートしていきます。新型コロナとともに生きる時代にふさわしい、新しい「學びの共同体」をみんなで創っていきましょう。

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