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校長より
2020.05.29
丘の学び舎 その63(中高生版)

中高生の皆さんへ
今日は5月最後のブログとなりますので、マリア様にお花の冠を捧げる気持ちで、お話したいと思います。
昨日は「結び目を解くマリア」についてお話しましたが、今日は私が一番好きなマリア様のご絵を紹介したいと思います。17世紀を代表するスペインの画家ムリリョが描いた「無原罪の御宿り」です。校長室前の廊下にも飾ってあります。ムリリョは同じ題の絵を何枚も書きましたが、「エル・エスコリアル」と名付けられているこの作品が代表的です。
澄んだ瞳で天の高みを仰ぐ無垢で愛らしいマリア様のお顔と、身にまとったマントの青色がとても印象的です。生まれつき耳が聞こえなかった愛娘フランシスカをモデルに、ムリリョはこのマリア様を描いたといわれています。ムリリョの生きた17世紀のスペインは、相次ぐ飢饉やペストの大流行、さらにキリスト教内の新旧教対立など、不安と混乱に満ちた時代でした。ムリリョ自身5人の子供を幼くして亡くしていますので、人生の悲哀を数えきれないほど味わったに違いありません。ムリリョはこの絵を描くことによってマリア様に救いの光を求めたのでしょう。そして、この絵を見る者は、聖母のとりなしによって希望と慰めをいただくことができたのです。
マリア様は母親アンナの胎内に宿った時から、神の子の母となるべく準備されていた、という信仰を「無原罪の御宿り」と称しています。小林聖心では12月8日に「無原罪の聖母の祝日」でお祝いしますね。マリア様のマントの青色に象徴される真っすぐに神様に向かう清い心。私たちもその心にあずかることができますよう祈りながら、百合の花をお捧げします。
ウィルスとともに生きていかなければならない、不安の多い毎日です。でも真っすぐに神様を仰ぎ見ながら、希望をもって一日一日ていねいに過ごすことができますように。マリア様のお取次ぎによってお祈りいたしましょう。

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