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校長より
2020.05.13
丘の学び舎 その51(中高生版)

中高生の皆さんへ
朝、正門から学校へ向かう時、「お早うございます!」と挨拶しながら、元気よく坂道を上がってくる小学生の姿が見えるようです。中学生は少しはにかみながら、そして、高校生は「さあ、一日が始まる。」という顔つきで上がってくる様子が目に浮かびます。今は誰一人上がってくる人のいない静まり返った朝の坂道を眺めながら、私は皆さんからたくさんのエネルギーをもらっていたのだ、ということに気づかされます。
もうずいぶん前になりますが、須磨久善さんという心臓外科のお医者様が、「いのち」というテーマで書いておられた記事を思い出します。「命はみんなつながっていると思いますよ。そんなに私だけのものではないんですよ。だって、僕は患者さんの命を良くするでしょ。すると患者さんの命が僕を元気にしてくれる。・・・21世紀は、人のために何かをして、人が喜んだことがうれしいという時代になると思う。」
生命科学者の柳澤桂子さんは、「命はそれを持っている人のものだなんて、思い上がりだと思うんですね。36億年の歴史を持つ生き物が、その歴史をたどって、今、わたしのところにたどりついてる。・・・宇宙全体を一つの大きな布みたいに、私は感じてるんですけれど、(私は)その中の一本の糸。」と仰っています。
私たちの命を生かしているのは、この縦と横の人とのつながり。36億年という時の流れにおけるつながりと、今を共有する人々との出会い。そんな命のつながりを体験させてくれるのが学校という場なのだということを、今回改めて痛感しています。
今は友達や先生に直接会えなくても、皆さんには、小林聖心という学校があるのだということを、どうぞ忘れないでください。毎日当然のように会っていた時には、考えもしなかったかもしれませんが、お互いからエネルギーをもらって頑張ることができていたのだということに、今は、気づいているのではないでしょうか。

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