校長より
2020.04.24
丘の学び舎 その38(中高生版)
中高生の皆さん
新緑の眩しい季節になってきました。こんな季節になると「♪青葉若葉に、風~かお~り~て~♪」という聖歌を歌いたくなります。大きな声で歌える日は、いったいいつ来るのでしょうか。待ち遠しいです。校庭やみこころ坂の景色を眺めながら、今日は、「緑」の話をしようと思いました。学年カラーでいえば12年生の「緑」、そして、6年生は「緑」を受け継ぐ学年です。
ところで、目で見ると緑色に違いない葉っぱのことを、日本語では「青葉」といったりします。これはいったい何故なのでしょう。青葉だけではありません。緑色のものを何の違和感もなく「青」と呼んでいるのです。青菜、青じそ、青ネギ、青虫、青信号等々、数えあげたらきりがありません。
調べてみると、日本で古くから使われていた言葉では、色を表す言葉は「赤」「青」「白」「黒」の4つしかなかったようです。色というよりは、光や明るさという観点から生まれた表現です。ですから、今、私たちが「緑色」ととらえているものは、かつて「青」の範疇に入っていたということになります。「緑」は色そのものを表すというよりは、木々の新芽や若枝の「新鮮で活き活きしている」様子を表す「みどり」なのです。赤ちゃんを「みどりご」と呼ぶのも、初々しい命を表現しているのでしょう。
日々、色合いが変化する新緑を眺めているだけで、なんだか嬉しい気持になってきます。「緑」は安心感や平和、調和を表す色ともいわれ、確かに気持ちを穏やかにし、リラックスさせてくれます。外出もままならず、内向きになりそうな心を、ちょっと外に向けてみましょう。命溢れる「みどり」の自然界から、私たちも新しいエネルギーをいただくことができるに違いありません。