この体験学習も折り返しの五日目を迎えました。今日は、昨日訪れた「みこころの家」のユース(この施設で教育を受けた中学生・高校生)と交流しました。
午前中、生徒たちはペアになり、ユースの家を訪問。彼らの家族とともに話したり昼食を食べたりしました。昨日は外から見るだけだった家に入り、実際の生活を目の当たりにすることで、感じることも多かったようです。
午後からは「みこころの家」に集まり、ユースとの交流会が開かれました。ユースの発表は「自分たちの物語」をテーマに、一人ひとりのユースがどのような思い、どのような夢をもって生きているのかを、動画やダンス、歌などで力強く伝えるものでした。彼らの家がどれほど貧しいかを見てきたばかりの生徒たちは、そのような現実の中でも前を向いて生きていくんだという彼らの強いメッセージに心を揺さぶられたようで、生徒の頬を涙が伝いました。
「みこころの家」を運営するシスターベスは生徒たちに次のように語りかけました。
「ネットでフィリピンを検索すれば、いろいろな数字が出てくるでしょう。しかし、それが本当のフィリピンではありません。数字やデータは大切。でも、私たちは数字で表せない存在です。みなさんが出会いを通して、フィリピンの若者たちのことを知るということが大切です。テクノロジーを通して得たものは忘れてしまいます。でも、一緒に食べ、一緒に笑い、一緒に泣く。そうやって知った一人ひとりの物語は忘れません。親愛なる日本のみなさん。みなさんはたくさんの機会を与えられ恵まれています。自分がしたいことをする時に、どうぞ本当にそこに生きる人々の生活、物語を知ることに努めてください。何を食べているのか、何を学んでいるのか、どんな夢を持っているのか、そして、どうやって死んでいくのか。そうすることで、私たちは一番大切なものを学ぶことできるからです。」と。
そして、「若い皆さん。また、かつて若かった皆さん(笑)。絶え間なく夢をもって生きていきましょう。とてもたどり着けないと思うこともあるでしょうけど、それでも夢を持ち続けましょう。」と参加した全員に笑顔で語りかけてくださいました。
その後、小グループに分かれてのフリートークでは、互いの夢を語り合い、一人一人の物語を知ることができたようです。生徒たちにとって、モンタルバンでのこの二日間は、これからの人生において大きな意味をもつ二日間になることでしょう。
宿舎への帰り道、聖ドミニコ教会に立ち寄り、タガログ語でのミサに与り、モンタルバンでの活動に思いを巡らせました。