早朝、ルソン島北部で地震がありましたが、生徒たちが活動している地域での揺れはなく、予定通り活動しています。皆様、どうぞご安心ください。
今日は、宿舎からバスで北へ一時間ほどのところにあるモンタルバンという小さな町に出かけました。
ここにはSMSF(聖マグダレナソフィア基金)が貧困家庭をサポートするための施設「みこころの家」があります。幼稚園に通えない子供のためのプログラムや、小学生の識字率や読解力を上げるための補習プログラムなどがあります。また、母親たちを集めて裁縫を教え、日本の聖心の子供たちが使う音楽バッグなどを作ることで収入を得るという、家計を支える仕組みも長年続けられてきました。SMSFを運営するシスターベスは、「神が私たちに何を望んでおられるのか。常に自分に問いかけることが大切です」と生徒たちに語りかけました。
施設に通う子供たちが住んでいる地域を歩くと、そこには想像をはるかに超えた厳しい現実がありました。大雨のたびに川が増水し一階部分が浸水する家。下水道が整備されておらず不衛生な水が流れる路地。住むことさえままならない中で、子供の教育が後回しにされる理由を、十分過ぎるほど理解したことでしょう。午後、施設にやってきた幼稚園児や小学生の笑顔は、昨日のベルラーニ同様、世界共通の輝きがありました。日本からやってきた高校生の前で自分たちの歌を披露し、喜んでもらう。そのことが彼らの自信となり、貧困の中で失われた自尊心を高めることにつながるそうです。
施設にはお祈り箱というものがあり、子供たちは自分が書いたお祈りを入れます。そこに書かれた祈りは、必ず神様や周りの人への感謝の言葉から始まるそうです。子供たちの姿から、感謝する気持ち、希望をもつことの大切さを教えられるのだと、シスターベスはおっしゃいました。
自分は何をなすべきなのか。貧困の現実に触れる中で、生徒たちの考えは深まっています。