校長より
2015.12.10
丘の学び舎 その20
カトリック教会では待降節が始まり、小林聖心でも校内のあちらこちらにクリブ(イエスの誕生を表す飾り:写真参考)や待降節のキャンドルが飾られる季節となりました。街中のクリスマスとは異なり、小林聖心の児童・生徒は特別な静けさの中でクリスマスの準備をしていきます。
小学校から高校まで、クリスマスの前には、プラクティスと呼ばれる伝統的な習慣を実践しながら過ごします。「practice」ということばが示す通り、普段からできるとよいことを特に集中して心がけ、実践します。クリスマスの前は、救い主イエス・キリストが来てくださる時を心を静めて祈りのうちにお迎えするために、授業の始まりを沈黙で準備し、一日中、落ち着いた雰囲気の中で過ごすようにします。多感な中学生にとっては一番難しい練習ですが、この時ばかりは神妙な顔付きで一生懸命取り組んでいる姿がなんともほほえましいです。
また、特に中高で行われているように、プラクティスは沈黙を身につけることだけを目的とするものではありません。自分が守れたかどうかを1日の最後に振り返り、守ることができたら、献金という形で自分の祈りを誰かへの贈り物という形にかえることができるということを学びます。守れなかったから罰として献金するのではありません。祈りのうちに心を込めて過ごすことができたから、その心を具体的な物に託して、世界のどこかで必要としておられる方々への贈り物とすることができるのです。ここに、小林聖心の生徒が身につけていく価値観があります。
人間の一人となって共に生きるためにこの世界に来てくださった神様の深い愛に出会えるクリスマスとなりますように、今年も、児童・生徒のプラクティスの姿を見守っていきたいと思います。