<ジョワニ―編>
旅の最後に訪れたのは聖マグダレナ・ソフィアの生誕地、ジョワニーという町です。
パリから160㎞ほど離れて、ブルゴーニュ地方の入り口です。
川のほとりにはレンガ造りの家が建ち並び、この旅の中で一番静かで自然の多い町でした。
ジョワニーには、聖マグダレナ・ソフィアの生家があります。現在は聖心会のシスター方が住んでおられ、そこを訪れる卒業生や黙想を希望する人のお世話をしてくださっています。
聖マグダレナ・ソフィアは、火事が原因で予定日よりも早く産まれ、とても体が小さかったというのは有名なお話です。
実際に、火事が起こった場所の梁が今でも残っており、他のものと比べて黒くなっていました。
他にも、聖マグダレナ・ソフィアが勉強していたお部屋、フランス革命中に兄ルイが隠れていた屋根裏も見せていただくことができました。
また、聖マグダレナ・ソフィアは幼少期から葡萄畑で走り回って遊んだというのも有名なお話です。実際にその葡萄畑にも足を運んでみると、そこは1メートルほどの高さの葡萄の木がどこまでも続く、たいへん気持ちのよい場所で心が弾みました。
この場所で、幼いソフィが時間を忘れて遊んでいたことを想像していると、小林の子どもたちの様子とも重なりなんだか胸が熱くなりました。
10日間の巡礼の旅で訪れたすべての町で、そこで働いておられるシスター方が熱心に案内してくださいました。聖心女子学院が創立されてから約200年。聖心会のシスター方が命がけで世界中に広め、守ってきてくださったことを痛感しました。
聖マグダレナ・ソフィアのご遺体に祈りを捧げた日から一歩ずつ彼女に近づいたような気がします。
聖心女子学院は、乱世の中で生まれた学校です。その時代に何が必要なのか、未来を築いていく子どもたちにどのような教育が必要なのか先を見越して創立された学校であったことをこの旅を通して知りました。