校長より
2022.11.07
丘の学び舎 その120
霜月が始まり、もう一週間です。教会では、死者の月に因み、諸聖人や神様のもとにかえられた家族、恩人、友人、そして亡くなられたすべての方々に心を寄せて祈ります。小林聖心では、先週StageⅠで、そして、今週はStageⅡとⅢで、追悼ミサが行われます。久しぶりの御ミサで、心を合わせて祈ります。
11月2日「死者の日」を、英語では「All Souls Day」といいます。「すべての魂の日」。ですから、この世におられない方々のためだけではありません。「魂」は、母の胎内に宿った時から、やがて目に見える体が消え去った後も、永遠に生き続けます。その意味で、生きているものと亡くなったものとの境界はありません。11月は、人間が「魂」なのだということを思い起こさせてくれます。
キャンパスの木々が色づきを見せ、まるで魂の故郷に帰ったかのような気持ちにさせてくれます。成長変化し、やがて朽ち果てて落ちていく。しかし、また他の木々の養分となって、命を繋いでいく葉っぱ。この命の営みの中で、神様にすべてを委ねて導かれる至福の境地を、魂は知っているのでしょう。「全ての葉は秋の樹木から舞い散りながら、私に至福をささやく。(Every leaf speaks bliss to me, fluttering from the autumn tree.)」これは、イギリスの小説家エミリー・ブロンテの言葉です。
一日一日、微妙な変化を見せてくれる紅葉を愛でながら、この100年の間、学校を守り導いてくださった方々との魂の交わりの時を過ごしたいと思います。そして、次の世代へと小林聖心の命を繋ぐことができるよう、神様の御許におられる方々の取次ぎを祈りたいと思います。