先週は、8・9・10年生の宿泊行事が無事に終わりました。今週は、4年生がキャンプに出かけます。近畿地方も梅雨明けで、本格的な夏を迎えました。
ドイツ西部やベルギーでは記録的な集中豪雨で大洪水が発生し、北米は1000年に一度といわれるような熱波に襲われています。この夏も、感染症のみならず、天災というよりは人災の要素の強い自然災害が世界中で続いていることに、心が痛みます。
今年度は、昨年度の経験を踏まえた上で、できる限り「子供たちの活動の幅を広げる」ということを大切に、教育活動を実践してきています。子供たちにとって大切な成長の場である学校行事や学年行事等、今年度はかなり実現できていることを嬉しく思います。それぞれの行事には、当然、独自の目的がありますが、小林聖心の行事は共通して目指していることがあります。それは、仲間との「共有体験」です。仲間との「体験の共有」とその際の「感情の共有」が、一人ひとりの「自尊感情」を育むからです。仲間と同じことで、笑ったり、喜んだり、悩んだり、悔しい思いをしたりすることで、一体感を育むのみならず、実は一人ひとりの自尊感情を高めることになります。体験を共有し、感情を共有している集団の一人としての自分を、大切な存在であると意識できるようになります。
日本の子供の自尊感情がとても低いこと、特に思春期の女の子の自尊感情が著しく低下することは、色々なところで取り沙汰されています。比較や優劣とは異なるレベルで、自分が「大切な存在である」と思えるような根源的な感情は、生きる力の源となります。自分の力で努力して達成感を得るというようなことも助けにはなりますが、特に女の子の場合は、仲間と共有するという体験が自尊感情の基礎をつくっていくことになります。小林聖心の数々の行事は、まさにそのことを大切にしています。
コロナ前と同じ形ではなく、新たな発想で実施される今年度の行事を通して、学年としても、個人としても、子供たちが成長しますように。