10月5日
先週の木曜日、中秋の名月はうっとりするような美しさでした。今週はますます秋らしくなっていくということですので、夏服ともいよいよお別れです。先週は小学校でも中高でも、放送を通して、後期の始業式が行われました。9月までよりは、さらに一歩進んだ形で活動を増やしながら、「With コロナ」を実践していきたいと思います。
そこで、児童生徒に再確認したのが、本年度の学校目標です。「Be Artisans of Hope ~希望のつくり手でありなさい~」という目標のもとに3つのポイントがあります。小学校と中高で少しずつ言葉は違いますが、毎年、1年生から12年生(高校3年生)まで同じことを学院全体で取り組みます。今年度は、その中の一つに、「限界のある中で、工夫を凝らす」というのがあります。例年とは異なる状況の中で、是非取り組んでほしい、そんな願いを込めて4月当初に掲げた目標です。「限界」と「工夫」に大切な意味を込めています。
「限界がある」という経験。今回のように、予想だにしなかった感染症があっという間に世界を覆い、昨日までできたことができなくなるという現実は、誰にとっても楽しいはずがありません。しかし、ひょっとしたら、大事な学びのチャンスになるのかもしれません。いつでも何でも手に入るし、その気になれば何でもすることができる。そんな状況で、人はかえって、気力を失うかもしれません。足りないものがある。不自由さを抱えている。そんな時にこそ、知恵を使い、想像力を働かせ、マイナスと思えることを他のもので補ったり、代案を見つけたりしながら、新しいものを生み出していけるのではないでしょうか。それこそが工夫なのだと思います。
禅の用語で、「工夫」は一心に修行に励むことを意味します。座禅は静の工夫。掃除や片付けなどは動の工夫。何をする時にもそのことを一心に行う、という意味では、今の私たちにあてはまるような気がします。
あれができなかった、これができなかった、そんな思い出しかない残らない年ではなく、限界のある中で工夫を凝らす楽しさを味わって、子供たちが成長しますように。
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校長より
2020.10.05
丘の学び舎 その90