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校長より
2020.05.21
丘の学び舎 その57(中高生版)

中高生の皆さんへ
この数か月、色々な方から「家の中で過ごす時間が増えたので、料理や掃除、そして、日頃できなかったものの整理に力を入れている。」という話を耳にします。皆さんはいかがですか。これまでやりたくてもなかなかできなかったことや、疎かになっていたことに時間を使うようにしている、ということはないでしょうか。
この機会に皆さんに見直してほしいのは、「家事」がいかに大切かということです。お家の方に喜んでいただけるのはいいことですが、それ以上に深い意味を持っています。小林聖心では小学校入試や中学校入学に際しての面接で、「どんなお手伝いをしていますか。」と必ず尋ねられますね。皆さんよくご存知でしょう。家庭の一員としての責任を果たしてほしいということはもちろんありますが、さらに、「惜しみなく働く」という伝統が息づいている聖心の教育においては、「お手伝いをする」ということに重要な意義を見出しているからなのです。それは「動く身体」をつくるということ、そして、「動く身体」をつかさどる「身体知」(身体で覚えた知恵)を育むということです。
スポーツで体を鍛えるのとは異なる意味で、家事は立派な身体活動です。スポーツのように「身体を動かす」のではなく、周りの状況に気づいて「身体そのものが動く」という経験を積むことができます。そして、実際にやりながら、身体で感じ取り覚えていくことでしか身につかない知恵が、「家事」を通して培われることになります。
小林聖心ではたくさんの行事があり、その都度、「頭と心を使って惜しみなく働きなさい。」と言われます。まさに学校行事には、この「家事」と似たような学びがあるのだと思います。聖心の教育方針に掲げられる、「魂」「知性」「実行力」。これら3つが統合された資質が、「家事」を通して育まれます。どうぞ皆さん、一生懸命お手伝いをしてくださいね。

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