ようやく朝晩の空気に秋を感じるようになりました。学校は、後期に向かっていきます。先週の出来事と言えば、小学校の合唱祭でした。保護者の皆様にいらしていただいた日には、子どもたちの気持ちが頂点に達し、練習の成果を精一杯発揮することができました。保護者の皆様にも喜んでいただけたことでしょう。
今回の6学年の合唱の中で忘れられないのが、「算数チャチャチャ」という歌です。ちょうど10年前、創立90周年の学院挙げての合唱祭で、現12年生、当時の2年生がこの歌を歌ったことが蘇ってきたからです。1番は平方根の問題、2番は三角関数のsinθ、cosθ、tanθに関する問題、そして3番は三角関数のグラフに関する問題が歌詞となっています。小学生は言葉を暗記して歌っているだけですが、聞いている高校生は内容がわかるだけに、思わず笑ってしまうほどかわいい合唱でした。自分たちの歌が反響を呼んでいることは気にも留めず、2年生が一生懸命声を張り上げていたのを懐かしく思い出します。その歌を、100周年の今年、もう一度耳にすることができました。
合唱祭の最後に、1年生に、「『算数チャチャチャ』は、今の12年生のお姉さんが、2年生の時、90周年の合唱祭で歌ったんですよ。」と話をすると、目をまん丸にして驚き、喜んでいました。あの、大先輩のお姉さんと同じ歌を歌ったんだと思うと、一挙にお姉さんたちと自分たちの距離が縮まって、繋がったのだと思います。
創立100周年の前半を終えて、この学校を作っているのは、こうしたつながりだということを実感しています。たとえ会ったことがなくても、小林聖心でつながっている。そして、そのつながりが、一人ひとりを育て、生涯を支える力となっていくのだということを、行事の度に感じさせられた半年でした。
いよいよ、後期には、記念コンサートや記念式典が待っています。子どもたちがそうした機会を通して、小林聖心をつくっているつながりの一人である自分自身を発見してくれますようにと願っています。